プロとの音楽活動があなたの音楽の可能性を広げる!音楽活動を成功させる3つの要素
3.「誰に」音楽を届けるか
また、音楽を届ける形と並んで重要となるのは、「誰に」届けるかという観点だ。どんなに良い音楽でも求めていない人、関心のない人には届かないのである。
ヘヴィーなロックサウンドの楽曲を、落ち着いたボサノヴァを求めているリスナーにいくらPRしてもなかなか関心を持ってもらうのは難しい。また、そもそも音楽自体に興味がない人の関心を引くのは相当高いハードルとなる。
このように、「誰に」音楽を届けるかということを、楽曲単位や、アーティスト単位で考える必要がある。いわゆる、ビジネスにおけるターゲットであるが、幸いにも音楽はそのターゲットの幅は広く柔軟だ。前述のロックとボサノヴァの例では、必ずしも二者択一ではなく、ヘヴイーなロックサウンドも、落ち着いたボサノヴァサウンドも、どちらも好むリスナーは少なくないのだ。
ただ、ターゲットの可能性は広くとも、特に新しいリスナーを獲得する際には、興味を持ってもらえるように届けるためのシチュエーションや条件はある程度絞られてくる。
例えば、歌番組を視聴している人は、そこで流れている音楽を聞こうとそもそも意識している。また、余暇にYouTubeを視聴している人であれば、偶然出会ったPVも試しに聞いてみる可能性もあるだろう。それに対して、大切な商談に向けた資料を作成しているビジネスマンの意識を音楽に向けることは難易度が高いかもしれない。
このように人間は自分の意識を向けているもの以外は、例えその場にあっても認識しない性質がある。音や映像がそこに流れていても、意識を向けていなければ記憶に残らないのだ。なので、「誰に」ということでいえば、そもそも意識を向けてくれている人に届けるか、意識を向けてもらえそうな人に届けることが、重要になる。
これまでにターゲットが近しいアーティストと同じイベントに出演することで、新規リスナーの獲得を目指す方法などは行われてきたが、ストリーミングサービスやYouTubeなどでも、ターゲットを意識して各種設定をきちんと行い配信することで、「あなたへのおすすめ」などの形で自動的にターゲットに提案されることも狙うことができる。また手軽な方法として、近しいターゲットであろうアーティスト仲間にプログやホームページで紹介してもらうだけでも違うだろう。私が関わっているMUSIC PARTNERでは、より専門的な手法を駆使してターゲット設定などを行っているので、このような専門家のサービスを使うことも一つの方法だ。
現代ならではの音楽活動のあり方と新たな音楽の可能性
技術や社会のあり方は常に変化する。リスナーの環境も同様に変化し、音楽との関わり方も時代に合わせて多種多様になっている。良いとか悪いとかではなく、これらの変化を受け入れて、今の時代に合った音楽の届け方を実践することが大切だ。少なくとも現在は、ひと昔前と比較して、より多くのリスナーに音楽を届けられる可能性が広がっている。
音楽の本質的な価値や魅力は、いつの時代も変わることなく人々の文化の中に根付いている。私はより多くのミュージシャンが、自分らしい音楽活動を実施していくことで、魅力的な音楽が世の中に広まっていくことを願っている。
【MUSIC PARTNERについて】 ミュージシャンに向けて、楽曲制作やプロモーションなど、音楽活動に必要な全てを、個人規模から利用できるサービス。コンポーザー、プレイヤーなどの音楽のプロだけでなく、マーケター、アートディレクターなどマーケティングなど他分野のプロも在籍し、音楽活動をプロがサポートする。◎公式サイト https://pb.a-non.jp/musicpartner/ 【筆者プロフィール】 音楽プロデューサーとして、アーティストそれぞれに合わせた技術の育成、音楽活動のプランニングなどを行う。また、一般企業のマーケティングプランナーとしての経験も生かし、より多くの人へ音楽作品を届けるための戦略立案を得意とする。 ◎経歴 |